アストリアによる「カリブロ」は、‟スプマンテの父”とも呼ばれる著名な醸造技術研究家のカヴァッツァーニ博士が考案した、カヴァッツァーニ方式(タンクで二次発酵させたスプマンテをそのままじっくり長期間熟成させる、いわゆるロングシャルマ製法)で造り上げたスプマンテです。骨太で力強さのある味わいから、イタリア語で「口径」や「力量」の意味を持つ言葉Calibroになぞらえて名付けられました。
畑は標高150mの東から西向きの丘陵斜面に位置し、土壌は氷河由来の堆積土壌モレーンに粘土、ピアーヴェ川岸の白砂利が混ざりこんだミネラル豊かな混合土。夏は暑く冬は冷涼で、特に夏場の夜間にドロミーティ山塊から吹き降りてくる冷たい山風がブドウを冷やし、豊かな酸や香りを与えています。2019年は暖かな春から気温が急下降し雨が多く降りましたが、ブドウの成熟に重要な収穫数日前はよく晴れた日中と涼しい風が吹く夜が交互に続くという理想的な気候であったため、品質の高いブドウを収穫することが出来ました。
ステンレスタンクでアルコール発酵させ、オートクレーブというステンレス製加圧式タンクで二次発酵後、バトナージュ(樽の中の澱を攪拌させる作業)を繰り返しながら約6ヶ月間熟成させ、その後約12カ月間かけてじっくりと瓶内熟成させます。この方法がカヴァッツァーニ方式(別名ロングシャルマ方式)と呼ばれるものですが、果汁が長期熟成に耐えうる必要があるので、あえてシャルドネ、ピノ・ネーロといった力強さのある品種を使用します。
「DOCGコネリアーノ・ヴァルドッビアデネの地で、コンセプトの全く異なるスプマンテをあえて作り、様々な表情のワインを比較する楽しみを表現したかった。それがこのワインの開発の理由です。」と生産者は語ります。グレラだけでなく、シャルドネ、ピノ・ネーロといった白ブドウ、黒ブドウ品種も理想的に実るアストリアの畑ならではの一本です。
歴史あるワイン醸造家ファミリーのポレガート兄弟によって1987年設立されたアストリア。
その幻想的風景から2019年にユネスコの世界遺産に登録された、コネリアーノ・ヴァルドッビアデネの中心地レフロントロにヴァル・デ・ブルン農園を保有し、穏やかな丘陵に連なる約100haのブドウ畑から優れたワインを数多く産出しています。銘醸地として知られるヴェネトでも秀逸なスプマンテの生産者としても名を馳せ、プロセッコ・ミッレジマートがヴィニタリーでの最高評価グランドゴールド受賞、また、ヴェネツィア国際映画祭の公式スパークリングワインに選出されるなど、数々の栄光には枚挙に暇がない、革新的でクリエイティブな造り手です。
30年にわたる成功の歩みの中、長期的なビジョンをもって持続可能性、環境保護、健康を重視した地域保護活動にも積極的に努めており、2014年からブドウ畑で様々な花を育てて虫や鳥などを呼び寄せる「ヴィーニュ フルーリー(花に満ちたブドウ畑)」を導入しています。
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