ブドウ本来の果実味を最大限に生かした伝統的スタイルにのっとり、残糖を最小限にすることを基本としてアマローネを造るブリガルダーラですが、その中で唯一残糖のあるのが「
アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ カーヴォロ」です。ヴァルパンテーナ地区の単一畑「カーヴォロ」で育てたコルヴィーナ、コルヴィノーネ、ロンディネッラを使用します。
畑は東向き斜面に位置し、植密度は4,000-5,000本/ha。オリーブの木々に囲まれたこの地は石の多い石灰質土壌で、1haあたりの収量は限られています。ブドウは水分と養分を求めミネラル質の豊富な地中深くまで根を張り、ワインに軽快さとエレガントさをもたらすブドウが造られます。
ブドウの糖分があまり上がらないように早めに収穫を行い、ブリガルダーラの初代エノロゴであるロベルト・フェラリーニが設立した共同研究施設で「アパッシメント」と呼ばれる、収穫したブドウの陰干しが行われます。ブリガルダーラのアマローネにおけるアパッシメントは120日間と長めに定められており、あまり水分がなくならないよう温度、湿度、風量が細かく調整されています。また微生物や化学的な変化を最新のモニタリング技術で分析し、糖分を抑えながらも妖艶で立体感のある飲み心地良い味わいを描き出します。
発酵途中、果帽(果皮や種子)を残して発酵中の果汁を発酵容器から別の容器に抜き取り、次にこの果汁をポンプで果帽の上に送り戻す「デレスタ―ジュ」を1日2回行い、果帽に空気を触れさせて色の抽出を促進します。225Lのフレンチオーク樽で24ヶ月熟成、さらに2,500Lの伝統的なスラヴォニアンオークの大樽で36ヶ月熟成期間を経たのちリリースされます。
ヴァルポリチェッラのアマローネの平均的な残糖が約8g/Lのところ「
アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ カーヴォロ」は4g/Lと非常に少なめですが、ブリガルダーラの造るアマローネの中では残糖が最も高く、強いフローラルノートがあります。残糖を抑えることで飲み疲れしない、リッチでありながらもエレガントな仕上がりとなります。
ブリガルダーラの歴史は、1929年にチェザーリファミリーがヴェローナ北部、ヴァルポリチェッラ・クラシコの中心であるサン・フロリアーノ(カリアーノにあるサンピエトロ行政区)郊外の土地を手に入れたことから始まります。当時、ブドウやオリーブ以外にも果物や穀物を栽培していましたが、1960年以降、共同農地が廃止となり、ブドウとオリーブに特化した土地に転向、1979年に自社ブランドワインの醸造を開始しました。1990年代にマラーノ、グレッツァーナ、カーセ・ヴェチエの土地を購入し、現在は4つの畑を計50ha所有しブドウ栽培と醸造を家族で行っています。
伝統あるブリガルダーラの醸造を手掛けるのは、ヴェローナ大学教授であり、ジュゼッペ・クインタレッリのエノロゴも務めた、故ロベルト・フェラリーニ氏の教え子である同大学出身の若き醸造家たち。最高峰のアマローネ造りに貢献したフェラリーニ氏より情熱と技術を受け継いだ彼らは、流行に流されることなく、ブドウ本来の果実味を最大限活かす残糖を抑えた伝統的なアマローネを造ると共に、ワイナリーに新しい風を吹き込んでいます。
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