その名のとおり、春に咲く華憐なジャスミンを想わせる辛口の白ワインです。地元シチリアでは「ジビッボ」の名前で親しまれ、伝統的な甘口ワインやスパークリングワイン用に醸造されてきたブドウ品種「マスカット・オブ・アレキサンドリア」。
フィッリアートでは、品種が秘めた可能性を引き出すために、トラーパニ近くに有する自社畑から、丘陵地帯の「ボルゴ・グァリーニ」と海洋の影響を受ける「バリオ・ソリア」、ふたつの区画のジビッボをブレンド。昼夜の適度な寒暖差がジビッボの優美なアロマを高め、ややナトリウムを含む粘土質の土壌が品種の個性を引き出します。
ブドウは手摘みで収穫後、丁寧にプレスされ、アルコール発酵後は3ヶ月間ステンレスタンクにてオリと共に熟成。瓶内でさらに2ヶ月間の熟成を経てリリースされます。
シチリア島西部の街トラーパニに程近いパチェコに拠点を構える造り手フィッリアート。古代から様々な文化が行き交い、イタリアワインの歴史においても大きな役割を果たしてきた地から、再び世界に向けて故郷のシチリアワインの素晴らしさを発信しようと、現当主サルヴァトーレ・ディ・ガエターノ氏が1978年に立ち上げ、1985年からワイン造りをスタートしました。
現在ではパチェコの他、シチリア東部のエトナ山の麓に醸造所と畑を、そしてトラーパニから船で20分ほどにある小さなファヴィニャーナ島にも畑を有しています。丘陵、火山、海というそれぞれ地質も気候も異なる環境で、土地ごとに合ったブドウの持ち味を存分に生かし、それぞれのテロワールを大胆に表現したワイン造りを目指しています。カジュアルなワインから特別な日のための一本まで、常に安定した品質に対する評価は高く、イタリア国内はもとより世界各国で認められている生産者のひとりです。
近年では、ワイン造りと土の保護にも軸足を置き、生物多様性保護や環境保全に対する独自の研究にも精力的で、シチリアから持続可能なワイン造りを発信するパイオニアとしても注目を集めています。
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