アストリアによる「ヴァルドッビアデネ プロセッコ ミッレジマート」。通常は複数の収穫年のワインをブレンドし造られるプロセッコにおいて、特定のヴィンテージのものを「ミッレジマート(ミレジム)」と提唱したのはアストリアが初めてのこと。ブドウの出来が特別に良い年にのみ造られます。これまでヴェネツィア国際映画祭のレセプションなどでも採用され、「プロセッコの最高峰」と言える逸品です。
コスタ・デル・ソルと呼ばれる、アストリアの農園の中でも最も優れた条件の畑で収穫されたグレラを100%使用します。標高250mの南から東向きの丘陵斜面に位置し、氷河由来の堆積土壌モレーンに粘土、ピアーヴェ川岸の白い砂利が混ざりこんだミネラル豊かな混合土の土壌。夏は暑く冬は冷涼で、特に夏場の夜間にドロミーティ山塊から吹き降りてくる冷たい山風がブドウを冷やし、豊かな酸や香りを与えています。
この畑では、病害虫の天敵となる生物を呼び寄せる植物を育てたり、病原菌の感染を未然に防ぐために周辺環境をケアするなど、生態系を整えることで農薬の使用量を抑える「総合的病害虫管理」を行っています。品質、環境安全、畑でのサステナビリティにおいて国の定めた基準を満たすメーカーの農産物に与えられる「SQNPI認証(全国統合生産品質システム)」を2018年に取得、以降「ヴァルドッビアデネ プロセッコ ミッレジマート」のボトルにはミツバチ印の認証マークが入れられています。農薬の量だけでなく畑全体や周辺の環境、生態系にまでも厳しい審査が及ぶ認証であるため、ワイナリーが認められることはごく稀ですが、丘陵という周辺から孤立した環境に広い面積の畑を所有しているアストリアは、この認証を取得することが出来ました。
9月に手摘みで収穫されたブドウを破砕後、短時間のクリオマセラシオン(低温果皮浸漬)を行い、空圧圧搾機で優しくプレスします。その後濁り成分を静置によって沈殿させ、上澄み部分を別の容器に移し替えます。清澄処理を行った果汁に天然酵母を加え、ステンレスタンクでアルコール発酵を開始させますが、発酵が終わる前にキュヴクロース(密封式圧力タンク)に移して約30日かけて発酵を続けさせ、タンク内で発生した炭酸ガスをワインの中に閉じ込めます。発酵終了後に冷却と酒石酸を安定化させ、さらにオリに触れたままの状態で約30日間熟成させます。
美しいエメラルド色の果実そのものの、溢れるような芳香と爽やかな味わいを十分に生かすため、ベースワインを作り置かずに果汁を一気にスプマンテにする独特の方式を採用し、優れたアロマとミネラル感、クリーミーな味わいを引き出しています。
歴史あるワイン醸造家ファミリーのポレガート兄弟によって1987年設立されたアストリア。
その幻想的風景から2019年にユネスコの世界遺産に登録された、コネリアーノ・ヴァルドッビアデネの中心地レフロントロにヴァル・デ・ブルン農園を保有し、穏やかな丘陵に連なる約100haのブドウ畑から優れたワインを数多く産出しています。銘醸地として知られるヴェネトでも秀逸なスプマンテの生産者としても名を馳せ、プロセッコ・ミッレジマートがヴィニタリーでの最高評価グランドゴールド受賞、また、ヴェネツィア国際映画祭の公式スパークリングワインに選出されるなど、数々の栄光には枚挙に暇がない、革新的でクリエイティブな造り手です。
30年にわたる成功の歩みの中、長期的なビジョンをもって持続可能性、環境保護、健康を重視した地域保護活動にも積極的に努めており、2014年からブドウ畑で様々な花を育てて虫や鳥などを呼び寄せる「ヴィーニュ フルーリー(花に満ちたブドウ畑)」を導入しています。
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