イタリア醸造界を牽引するコタレッラ兄弟が、“永遠の都”ローマで知られるラツィオ州に設立した
ファミリア・コタレッラ(旧ファレスコ)による「パッシロ」は、80年代半ばから90年代初めにかけてトゥーシア大学と共同で行われた、ブドウ品種に関する研究の末に生まれた貴腐ワインです。
「エスト!エスト!!エスト!!!・ディ・モンテフィアスコーネDOC」のブレンドで使用されるラツィオ原産の古代品種の地ブドウ「ロセット」を100%使用しますが、ファミリア・コタレッラはこの希少な品種から単一品種ワインを醸造した最初の造り手でもあります。3haの畑はラツィオ北部、ヴェテルボ区のモンテフィアスコーネの標高300mの高さに位置し、およそ4,200本/haの植密度で植えられています。砕けやすく、小石を多く含む土壌にコルドン式(垣根仕立て)で仕立てられ、平均樹齢は12年。
ボトリティス・シネレア菌の活性化を促す特別な部屋でブドウを自然乾燥させます。乾燥しすぎたブドウを逐一手作業で取り除いて、全房圧搾します。500Lのオーク樽で発酵後、同じ樽のままシュール・リーを行い12ヶ月熟成させます。
「トゥーシア大学の協力のおかげで、地ブドウ「ロセット」の再発見をすることができました。生産性のある品種ではなく収量は少ないものの、乾燥時に発生するカビに耐える厚い皮のおかげで大きなポテンシャルを持っている品種です。」と生産者は語ります。
エキゾチックな果実の香りと、クリーミーな味わい。リッチで凝縮感があり、ハチミツのフレーバーとともに心地よい余韻が長く続き、チーズやデザートとの相性抜群です。
兄リカルド・コタレッラは1948年ウンブリア州テルニ県オルヴィエート生まれ。醸造学校を卒業後、オルヴィエートのワイナリーで醸造をスタートし、81年からフリーでの活動を始めるやいなや、醸造家として頭角を現し、カンパーニア、シチリア、ラツィオ、マルケなど、当時無名だった州を中心に近代的なスタイルのワインをリリースします。世界的なイタリアワイン・ルネッサンスの立役者にして、「魔術師」「天才」とも形容される、現代イタリアを代表する醸造家の一人です。2001年ガンベロ・ロッソ「ベスト・ワイン・メーカー」、同年ワイン・エンスージアスト誌「ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー」、2002年イタリアソムリエ協会「ベストイタリアンワインメーカー」に選ばれ、2013年にはイタリア醸造家協会会長、そして2015年には国際エノログ連盟会長に就任。
弟レンツォ・コタレッラは、かのジャコモ・タキスの跡を継ぐマルケージ・アンティノリのチーフ・ワインメーカーであり同社CEOを務めます。2001年ワイン・エンスージアスト誌では兄リカルドと共に「ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、現代イタリアワインを牽引する存在の一人となりました。
1979年、コタレッラ兄弟はファミリア・コタレッラの前身である「ファレスコ」をラツィオ州モンテフィアスコーネに設立。これまで不当に忘れ去られていたとも言える土地のテロワールを表現すべく、1989年にはエスト!エスト!!エスト!!!ポッジョ・ディ・ジェルシを誕生させ、1998年にはフェレンターノのリリースにより、ロッセット品種に関する20年の長きに渡る研究が結実しました。ラツィオ州ではモンテフィアスコーネとボルセーナ湖の間に位置する地域でロッセット、アレアティコ、トレッビアーノやマルヴァジア等の土着品種に加え、メルロー、シラーやヴィオニエ等の国際品種を栽培しています。ウンブリア州ではモンテッキオに拠点を置き、メルローやカベルネ、サンジョヴェーゼ、ヴェルデッキオやヴェルメンティーノ、更には40種類以上の品種を実験的に栽培し、数々の輝かしい受賞歴に甘んずることなく、自らの郷土のテロワールとブドウが持つ個性を最大限に引き出すことを目指します。飽くなき情熱でワイン造りを続け、現在娘たちにより家族の絆を表すファミリア・コタレッラと名を改め、彼らのフィロソフィーを継承しています。
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