潮風に包まれた独特のテロワール。小島への想いから生まれた海のワイン。
FAVINIA LA MUCIARA Bianco
白・スティル/辛口 2021イタリア
ファヴィーニア ラ・ムチャーラ ビアンコ 2021 はバックオーダーとなっており、在庫が戻り次第、出荷されます。
トラーパニから船で20分ほどにある、小さなファヴィニャーナ島。この地でワインのためのブドウ栽培をしているのはフィッリアートのみ。フィッリアートのオーナーであるサルヴァトーレ・ディ・ガエターノの「心から愛した島でどうしてもブドウを育ててみたい」という情熱により、約10年にわたるファヴィニャーナ島でのブドウ栽培研究の末、2011年にはじめてこの島で生まれたワインのファーストビンテージがリリースされました。ファヴィニャーナ島は地中海の海底隆起によって生まれた島のため、土を掘り返すと何百万年も前の海底堆積物(化石、貝殻、魚の骨など)が頻繁に発掘されます。石灰質に富んだ土質はワインの味わいに骨格を与えます。また畑は標高0メートル、海から僅か30メートルの場所にあり、土だけでなく風からも海洋性の影響を大きく受けます。カリウムが豊富な海洋植物がサンゴ礁に堆積し枯れ葉となり、南風にのって畑全体に吹き付けられ、ブドウに栄養素とミネラルを与えます。潮風が強く吹き付けるこの地でのブドウ栽培は容易ではなく、様々な品種を試したのちに適応できたのは、ネロ・ダーヴォラ、ペリコーネ、カタラット、グリッロ、ジビッボなどのシチリア土着品種のみでした。また、土壌に直接植えられたブドウたちは様々な適応変化を見せた結果、味わいにも大きく個性を伸ばしました。特にジビッボのトロピカルフルーツのような芳香は、シチリアの他のどこにも見られないほどの持続性を発揮したといいます。栽培はすべて株仕立てで、植密度は約5000本/ha。手摘みで収穫されたブドウは、鮮度を保ったまま船を使って20分かけてトラーパニまで運ばれます。低圧圧搾後、発酵は14-16℃に温度管理をして12日間かけて行われ、ステンレスタンクで育成後、瓶詰めされます。「ラ・ムチャーラ」はシチリアの方言で「漁船」を意味し、ラベルは羽を広げた蝶のような形をしたファヴィーニア島をイメージしています。シチリア島西部の街トラーパニに程近いパチェコに拠点を構える造り手フィッリアート。古代から様々な文化が行き交い、イタリアワインの歴史においても大きな役割を果たしてきた地から、再び世界に向けて故郷のシチリアワインの素晴らしさを発信しようと、現当主サルヴァトーレ・ディ・ガエターノ氏が1978年に立ち上げ、1985年からワイン造りをスタートしました。現在ではパチェコの他、シチリア東部のエトナ山の麓に醸造所と畑を、そしてトラーパニから船で20分ほどにある小さなファヴィニャーナ島にも畑を有しています。丘陵、火山、海というそれぞれ地質も気候も異なる環境で、土地ごとに合ったブドウの持ち味を存分に生かし、それぞれのテロワールを大胆に表現したワイン造りを目指しています。カジュアルなワインから特別な日のための一本まで、常に安定した品質に対する評価は高く、イタリア国内はもとより世界各国で認められている生産者のひとりです。近年では、ワイン造りと土の保護にも軸足を置き、生物多様性保護や環境保全に対する独自の研究にも精力的で、シチリアから持続可能なワイン造りを発信するパイオニアとしても注目を集めています。※本文中の製造方法、商品エチケット等は予告なしに変更されることがあります。
輝きのある緑がかった黄色。レモン、マンダリンオレンジ、パッションフルーツ、ジャスミン、タイム、ミネラルを想わせる爽やかな香り。生き生きとした口当たりで、凝縮した果実味にしっかりとした酸味、海由来の塩味が印象的。豊富なミネラル感が余韻に広がるドライでエレガントな味わい。