美しい塔が立ち並ぶ城壁の街、トスカーナ州サンジミニャーノ。広大なブドウ畑とオリーブの林に囲まれた小都市の中心部に、ポデーレ・レ・ヴォルーテの畑はあります。
栽培と醸造を手がけるのはクラウディア・ガルガーニ。父親からブドウとオリーブの畑を受け継ぎ、2001年からワイン醸造をスタート、2006年がファーストヴィンテージとなります。
標高約300m、北東向きの斜面に位置する畑では、この地の伝統品種であるヴェルナッチャを有機農法で栽培します。畑は鮮新世の堆積物に由来する地質で粘土と砂を含み、サメやウニの仲間や、貝類など海洋生物の化石が至るところに見られます。
幼い頃から化石に囲まれて育ったクラウディアは自らのワイナリーに「巻貝」を意味する「レ・ヴォルーテ(Le Volute)」と名付けました。
重い機械類を使用せず全て手作業で栽培をおこない、一列おきに土を鋤いて下草を残すことで、畑の自然と生物多様性を守ることを目指しています。
酸化しやすい品種でもあるヴェルナッチャは手摘みで収穫後すぐにセラーにて低圧で圧搾後、静かにオリ下げしたのち、アロマを引き出すために14~15℃の温度でゆっくりと発酵させます(マロラクティック発酵はなし)。また、コルクを抜いた際にヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノならではの純粋な香りを楽しんでもらいたいとの思いから、他の品種はブレンドせず、ヴェルナッチャ100%で醸すのもクラウディアのこだわりのひとつです。
2019年のアンテプリマではヴェルナッチャ・サンジミニャーノ協会から代表的生産者の一つに選ばれたクラウディア。将来的には馬の力も借りて畑を少しだけ広げたいと夢を語りながら、今日も妥協しないワイン造りに邁進しています。
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