北のコート・ド・ボーヌから南のマコネーまで、長さ25キロメートル、幅7キロメートルにおよぶワイン生産地区コート・シャロネーズ。その北部の、リュリー村とジヴリ村の間にメルキュレ村はあります。
中世からルネサンス期にかけて中心都市として栄えたメルキュレ村は、教会や城などの美しい歴史的建造物や遺跡が多く観光地としても有名ですが、コート・シャロネーズを代表するワインの銘醸地として知られています。
1943年に、メルキュレ初のプルミエ・クリュとして正式に認定された5つのうちの1つが、クロ・マルシリィの畑です。「クロ」はフランス語で“石垣などの塀で囲われたブドウ畑”という意味で、「マルシリィ」はガリア語の“3月”に由来しています。クロ・マルシリィは2016年以降、レ・エリティエ・サン・ジェニが単独所有しています。
この地は粘土石灰岩土壌で、標高228~240m。7.5ヘクタールの区画は壁で囲まれていて、霜からブドウを守る役割をしています。クロ・マルリシィ・モノポール ブランでは、醸造家パトリス・ドゥ・ジューが荒れ果てていた古いブドウ樹を抜いて、自らの手によって植え替えを行ったシャルドネを100%使用しています。
スキンコンタクト、発酵ののちマロラクティック発酵を行い、228リットルのオーク樽で16ヵ月間熟成を経てリリースされます。
「2016年は、暖冬の後に予想外の極寒と霜害に見舞われたが、6月頃には気温も戻り、ブドウは成長サイクルを取り戻した。その後、暑く乾燥した夏によって最適な熟度に達することができ、素晴らしいヴィンテージとなった」と生産者は語ります。フレッシュな酸味がありながら濃厚で肉厚な味わいと、余韻が長い豊かなワインです。
コート・ド・ボーヌ地区シャサーニュ・モンラッシェ村の中心に位置するレ・エリティエ・サン・ジェニ。2011年よりパトリス・ドゥ・ジューが畑を所有し、2013年からはジャン・バチスト・アルインコが醸造責任者を務めています。
「良いブドウがなければ良いワインは造れない。良いブドウの為には手間を惜しまず、愛情と情熱を持って育てること」を信条に、栽培は除草剤を使わず肥料を最低限に抑え、2017年以降は耕起の際は馬による牽引を導入。ブルゴーニュの伝統を守りながら自然に配慮したワイン造りを行っています。
※本文中の製造方法、商品エチケット等は予告なしに変更されることがあります。