メルローとカベルネ・ソーヴィニヨンに最適な気候と土壌条件を20年以上研究し続けたフィッリアートの成果と言えるのがこのカメロットです。

海抜120メートルの標高に位置し、トラーパニ海岸に近いブドウ畑は、これら2種のブドウに理想的な環境と言えます。乾燥し平均気温が高いシチリア島では、ブドウの糖度が上がりやすい一方でワインの芳香を損なうリスクもありますが、この畑の炭酸塩が含まれる赤い泥灰土質の土壌が暑い夏の地面のひび割れを防ぐことができ、下層土の湿度が一定に保たれます。「最も乾燥した年でもブドウの樹の水分が欠乏することなく、本来暑い時期は実現の難しい糖度とポリフェノールのバランスを良好に保つことができる。結果として制御された成熟が可能になり、エレガントなタンニンと複雑な風味を与え、フレンチオーク樽で熟成させると、比類のないアロマのエレガンスとフレーバーがワインにもたらされる」と造り手は言います。
シチリア島西部の街トラーパニに程近いパチェコに拠点を構える造り手フィッリアート。古代から様々な文化が行き交い、イタリアワインの歴史においても大きな役割を果たしてきた地から、再び世界に向けて故郷のシチリアワインの素晴らしさを発信しようと、現当主サルヴァトーレ・ディ・ガエターノ氏が1978年に立ち上げ、1985年からワイン造りをスタートしました。

現在ではパチェコの他、シチリア東部のエトナ山の麓に醸造所と畑を、そしてトラーパニから船で20分ほどにある小さなファヴィニャーナ島にも畑を有しています。丘陵、火山、海というそれぞれ地質も気候も異なる環境で、土地ごとに合ったブドウの持ち味を存分に生かし、それぞれのテロワールを大胆に表現したワイン造りを目指しています。カジュアルなワインから特別な日のための一本まで、常に安定した品質に対する評価は高く、イタリア国内はもとより世界各国で認められている生産者のひとりです。
近年では、ワイン造りと土の保護にも軸足を置き、生物多様性保護や環境保全に対する独自の研究にも精力的で、シチリアから持続可能なワイン造りを発信するパイオニアとしても注目を集めています。
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