ピエモンテの名門ワイナリー、ミケーレ・キアルロによる「ラ・ヴェスパ」。土着品種のバルベーラとアルバロッサ、国際品種のシラーをブレンドした一本です。
バルベーラの育つ畑は、モンフェッラート地方のカステルヌオーヴォ・カルチェーアにあるワインと同名の農園「ラ・ヴェスパ」にあります。ブドウの収穫期になると完熟のブドウ畑にスズメバチ(イタリア語でVespa)がたくさん飛んでいたことから、その名が付いたそうです。
標高180mから230mに位置する南西向き斜面の土壌はシルトを15%含む石灰質の泥灰土で、マグネシウムやカリウム、リンなどの微量元素を豊富に含んでいます。
アルバロッサとシラーのブドウ畑は、カステルヌオーヴォ・カルチェーアより北に8kmほどのモンタルド・スカランピのテヌータ・ラ・セラにあります。標高200mから250mの南東と東向き斜面に位置し、石灰質泥灰土と、20%ほどの砂と石灰質が主体の土壌で構成されています。マンガン、鉄、マグネシウムなどの微量元素を含み、1ヘクタールあたり8~9トンのブドウが収穫されます。
シラー、バルベーラ、アルバロッサの順で手摘みされたブドウはそれぞれ別々に発酵されます。発酵後マストは10~12日間果皮と接触させた状態を保ち、マロラクティック発酵へ進む前にブレンド。5000Lのオーク樽で熟成を始め、段階により小さな樽へ移され、さらに10~12ヶ月の熟成期間を迎えます。そののち5℃で一週間かけ清澄、瓶詰めされます。
創業者のミケーレ・キアルロ氏は5世代にわたるブドウ栽培農家に生まれ、1956年にカラマンドラーナの地で小さなワイナリーとして醸造をスタート。地元で日常ワイン用として栽培されていたバルベーラ種を世界的レベルまで昇華させ一躍その名を広めると、徐々に畑の規模を拡大し、比類なき繊細さと複雑さを併せ持つバローロを産出するチェレクイオ、歴史的に最も有名な畑と呼べるカンヌビ、ブルナーテなどのクリュを購入。輝かしい受賞歴を重ね、イタリアの主要18社からなるグランディ・マルキ協会にも所属するなど、世界各国で確固たる評価を獲得している造り手です。2023年にこの世を去るまで、イタリアの土着品種を使用したエレガントで複雑な、バランスのとれたワインを造り続けました。
現在は二人の息子、ステファノ氏とアルベルト氏がそれぞれ栽培と醸造、セールスとマーケティングの分野で腕を振るい、ミケーレ氏の功績を受け継いでいます。
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