海のワインに合わせるシチリアの郷土料理たち

海のワインに合わせるシチリアの郷土料理たち

紺碧の海に浮かぶ、シチリアのファビニャーナ島。この涼しげに澄き通った海、今にも飛び込みたくなります…。



さて、VinArteの夏におすすめの一本「ファヴィーニア ラ・ムチャーラ ビアンコフィッリアート FIRRIATO)」は、碧く美しき小島で収穫されたブドウから造られる白ワインです。

フィッリアートのオーナーであるサルヴァトーレ・ディ・ガエターノさんが「心から愛した島で、どうしてもブドウを育ててみたい!」という情熱に突き動かされ、この島でのブドウ栽培研究やその他の準備に費やすこと約10年。2011年に念願のファーストヴィンテージがリリースされました。


百万年前の化石や貝殻、海藻の枯れ葉など、海由来の環境で育つブドウから造るワインには、豊かな芳香の中にほのかな塩味や豊富なミネラルが感じられ、シチリアの碧い海に想い馳せながら飲んでいただきたい、夏にぴったりの味わいです。

そんな海のワインを、シチリア現地の方々は一体どんな料理と合わせているのでしょうか?フィッリアートの方に聞いてみました。
 

カポナータ(Caponata)


まずは、シチリア伝統料理のカポナータ。ナスやピーマンをトマトベースで煮込んだ料理で、フランスのラタトゥイユによく似ていますが、シチリアのカポナータの特徴は砂糖とビネガーで甘酸っぱい味付けにするところ。甘さに深みを持たせるため、隠し味にココアやオールスパイス、シナモン等のスパイスや、ナッツやレーズンをふんだんに入れることも。

ちなみに「カポナータ」という名前の由来は、『貴族が甘酸っぱいソースと共に食べた魚の名前「カポーネ」に由来した(魚を買う余裕がない人々が魚をナスに置き換えた)説』、『「大衆食堂、食堂の食べ物」を意味するラテン語「カウポーナ」にちなんだ説』、などなど諸説ありながら、真相は今だ謎です。

使用する材料の決まりや明確な定番レシピはなく、お庭で採れた季節のお野菜など、手元にあるもので作られるのだそう。地域ごと、家庭ごとに違う味わいが幅広く存在するカポナータ、シチリアを旅する際にはあちこちで食べて周り、お気に入りを探してみるのも楽しそうです。
 

ブジアーテ(Busiate)



ブジアーテとは、棒に巻き付けて成型するシチリア特有のパスタのことで、らせん状の形をしています。名前の由来は、古くは”ブーザ”という草の茎を使って成型していたことから。太くもっちりとした食感で、凹凸だらけの形状ゆえソースがよく絡みます。


そして、このパスタに合わせるソースとして代表的なのが、シチリア西海岸の都市トラ―パニ発祥のトラパネーゼソース。加熱調理を一切せずに、トマト、アーモンド、ハーブ、チーズ、ニンニクを細かくペースト状にしたもの。生トマトや生ハーブの新鮮な味わいと、ナッツやチーズのコクが食欲をそそる、夏にぴったりなソースです。

 

タコ(Polpo)


最後に、タコ。旧約聖書や一部のイスラム教、キリスト教では食することを禁じられていることから「海外ではタコはあまり食べない」というイメージがありますが、ヨーロッパ、アジア、欧米など現在多くの地域で食べられています。

新鮮な海の幸が豊富に捕れるシチリアでもおなじみの食材の一つで、シチリアのタコは味がしっかりとして柔らかいのだそう。オリーブオイル、レモン、パセリ、にんにくのごくシンプルな味付けでタコの旨味がグッと増し、ファヴィーニア ラ・ムチャーラ ビアンコの柑橘の風味や心地よい苦味とよく合います。

 
以上、海のワインにぴったりな、シチリアの郷土料理のご紹介でした。