クヴェヴリワインに合わせる料理たち

クヴェヴリワインに合わせる料理たち


前回のジョージア伝統の壺「クヴェヴリ」に引き続き、今回もジョージアワインに関するお話です。


クヴェヴリ製法では、ブドウの果汁を固形物(果肉、果皮、種、茎等)と一緒に漬け込むため、通常の製法で作られたワインよりもタンニンやポリフェノールが豊富に含まれます。これにより、独特な複雑さや滋味深さのある味わいに仕上がります。

そんなジョージアンワインとのペアリングについて、ジョージアの生産者ヴァジスバニ・エステイトの方に尋ねたところ、ワイナリーと併設しているレストランのシェフが直々に考案されたお料理を教えていただいたので紹介します。


グリルチキンのラブネソース添え


≪材料≫ ※4人分
鶏肉 300-400g
オリーブオイル 10-15ml ※ロースト用


ソース:
ラブネ 300g
パセリ 100g
ミント  85g
タラゴン 100g
ライムジュース 80ml
オリーブオイル 120ml
塩 少々


オリーブオイルを回しかけてグリルしたチキンに、「ラブネ」をベースにしたソースを添えていただきます。このラブネとは、中東レバノンで食べられる水切り塩ヨーグルトのことで、
無糖のプレーンヨーグルト1パックにつき小さじ1/4の塩を混ぜて8~12時間水切りすれば再現できます(だいたい半量に減るので、この料理には400gのヨーグルトが2パック必要)。

フレッシュチーズにほぼ近いラブネに、たっぷりの刻んだ生のハーブ、ライムジュース、オリーブオイルを混ぜ込んだソースは、濃厚ながら口当たりが爽やか。チキンをペロッと食べられる軽めの肉料理です。深みのあるカヘティアン・ムツヴァネ・クヴェヴリにぴったりです。



サペラヴィ ヒンカリ


≪材料≫ ※8-10個分

皮:
中力粉 240gと、別途打ち粉
塩 小さじ1/2
水 125ml

中身:
カッテージチーズ 130g
サワークリーム 50g
山羊のチーズ 40g
ライムジュ―ス 50-70ml
塩 少々

茹で汁:
赤ワイン 150-200ml
水 350-400ml


「ヒンカリ」とはジョージアの小籠包のこと。一般的にはひき肉、スパイス、水を練った餡が包まれ、茹で上がりは肉汁がたっぷり。こちらでは肉餡の代わりにチーズとサワークリームのフィリングを包んでいますが、ジョージア土着品種のブドウ「サペラヴィ」を用いた赤ワインに合わせるために考案されたのだそう。

ブドウ品種「サペラヴィ」は、ジョージア語で「染める、着色する」を意味するその名の通り、果肉まで赤くアントシアニンが多量に含まれている為、出来上がるワインは濃い色調になります。
茹で汁にこの赤ワインを入れることでヒンカリの皮が赤く色づいて、ビビッドなビジュアルも非常に魅力的な一品です。ちなみにヒンカリのてっぺんはあくまで手指で持つための部位とされ、食べずに残すのがお約束です。


ジョージアワイン一覧